京王線に乗って新宿駅を出発すると、わずか3分後に不思議な光景に遭遇することがあります。
進行方向右側の窓から、一瞬だけちらりとホームのような構造物が見えるのですが、実はこの謎めいた地下空間の正体は、かつて使用されていた「旧初台駅」なんです。
旧初台駅の歴史
1964年から1978年まで使用されていた旧初台駅は、京王線が地下化された際に設置されました。しかし、新線の開通に伴い、より大型の車両に対応できる新しい初台駅へと移設されました。
幻のホームの現在
現在、この旧初台駅のホームは一般公開されていません。しかし、その存在は鉄道ファンの間で語り継がれ、2012年にはNHKの人気番組「ブラタモリ」でも取り上げられて話題となりました。
旧初台駅の内部は、70年代の面影を残しつつも、一部が改修されています。
・改札口へ通じる階段はコンクリートでふさがれています
・水飲み場など、当時の設備の一部が残っています
・ホームの一部は撤去されていますが、駅名表示板などが残されています
現在の用途
この地下空間は現在、以下のような用途で使用されています。
1. 新宿駅の耐震補強工事の資材置き場
2. トンネル内での緊急事態発生時の避難経路として想定
京王線の車窓から一瞬だけ見える旧初台駅は、東京の地下に眠る歴史の一片です。
旧ホームの一般公開は稀であり、多くの場合、安全上の理由や実用的な用途のために非公開となっています。
しかし、京成本線の旧・博物館動物園駅(台東区)のように、文化的イベントや展示会の場として活用される例もあり、今後このような創造的な利用方法が増える可能性があるかもしれませんね。
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